超硬合金 日本ハードメタル株式会社

Technical information

技術情報 - 超硬合金とは

タングステンを含む鉱物の画像
タングステンを含む鉱物
灰重石

超硬合金とは周期表第Ⅳa、Ⅴa、Ⅵa族に属する9種類の金属の炭化物を対象としこれら炭化物粉末を鉄、コバルト、ニッケルなどの鉄系金属を用いて焼結結合した合金の総称です。

元素の周期表

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元素の周期表(画像)

日本ハードメタルでは炭化タングステン(WC)を主成分とし、コバルト(Co)を結合剤として焼き固めた超硬合金を粉末冶金により製造しています。

このWC-Co系超硬合金は古くから切削工具として使われてきました。

タングステンは硬度や熱伝導率が高いことから、工具の刃先に生じる摩耗に強く、刃先の温度上昇も小さく、工具の母材に適しています。

炭化タングステン粉

コバルト粉

超硬合金の組織写真

切削工具の性能を最大限に発揮するために、被削材や加工条件などに応じて工具母材の選択が必要です。

超硬合金の特徴を他の硬質材料と比較してご覧ください。

各種硬質材料の室温特性値一覧
    焼結高速度鋼 超硬合金 サーメット セラミックス
(Al2O3系統)
ダイヤモンド焼結体
硬さ ヌープまたはビッカース 750〜940 1200〜1800 1300〜1800 1800〜2100 6000〜8000
抗折力 GPa 2.5〜4.2 1.0〜4.0 1.0〜3.2 0.4〜0.9 1.3〜2.2
圧縮強さ GPa 2.2〜3.6 3.0〜6.0 4.0〜5.0 3.0〜5.0 6.9
破壊靭性 MPa・m1/2 12〜19 8〜20 8〜10 3〜4 -
弾性率 GPa 210〜220 460〜670 420〜430 300〜400 560
熱膨張係数 /K 9〜12×10-6 5〜6×10-6 4〜5×10-6 7.8×10-6 5.9×10-6
熱伝導率 W/mK 17〜31 20〜80 8〜12 17〜21 100
最高使用温度 K 〜800 〜1300 〜1400 〜2000 900〜1600
超硬合金の特徴
  • 硬さが高く、高温下でも安定
  • セラミックス、サーメットと比較して硬さの割合に靭性が大きい
  • 圧縮強さ、弾性率が大きい工具材料中最大
  • 熱膨張係数が小さい鋼の1/2
  • 熱伝導率が大きい
  • 引張強度は小さい
  • 空気中での耐食性が大きい

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